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Letters from Artists #03 - Vesna Filipovic

Solaris Date: 2026 Dimensions: 50cmx70cm


私が描こうとしているもの


私が絵を描くためには、まず何か心を揺さぶるものが必要です。

そして、「制作のプロセス」に深く入り込める状態であること。静けさの中にいながら、同時にひとつのアイデアを新しいビジュアルへと変換したいという高揚感が必要なのです。



Solo exhibition at the Yugoslav Film Archive Date: 2023


目に見えたものをそのまま描いているわけではありません。

想像の中から描いています。そして、自分がどのように表現したいかという一定の制約の中で制作しているのです。自由に線を描くのではなく、幾何学や精密さを用いるため、制作はいつも「解こうとしているパズル」のような感覚があります。


新しいビジュアル――これまでとは違うポートレートを生み出したいと思っています。

その始まりは、「幾何学を使ってポートレートを描けるだろうか?」という問いでした。

最初は点描を探求し、その後、より明快なフォルムへと移行していったのです。


Solaris Date: 2026 Dimensions: 50cmx70cm


私が惹かれるのは、視覚的にとても強い個性を持ち、その存在自体が“象徴”になっている人々。ドットを見ると草間彌生を思い浮かべるように。バスキアを見ると、彼の芸術表現だけでなく、その佇まいや生き方までもが唯一無二だったことを感じます。



Yayoi Kusama, part of LMD Clique series

Date: 2022 Dimensions: 70cmx100cm



Basquiat in Modena, part of the “Source material”.

Date: 2025 Dimensions: 70cmx100cm


そして、形を研ぎ澄ませていくこと、ミニマリズムを探求しています。

しかし、それは決して簡単なことではありません。

人を深く観察し、その人の“象徴”を浮かび上がらせることが必要だからです。


もうひとつ、私が大切にしているのは「カラーセラピー」、つまり作品が持つエネルギー的な影響です。私は鮮やかで力強い色を愛しています。


最終的に、私のポートレートたちは「見つめてほしい」と語りかけているように思います。

同時に、その中には心地よさや前向きなエネルギーも宿っているのです。

Solaris (Vesna Filipovic) とキースへリングのオリジナルアートがひとつの空間に - コレクターのご自宅にて。


Inspiration Behind My Art


​In order for me to draw, I need something to move me: emotion. I need a state where I can fully enter the "process"—a sense of calmness, but at the same time, an eagerness to translate an idea into a new visual.


I don’t draw exactly what I see. I draw from imagination, and I work within certain constraints on how I want to portray something. Since I use geometry and precision, as opposed to the freedom of the free line, it is always a puzzle that I try to solve.


I like to create a new visual—a different kind of portrait. ​It started with a question: can I use geometry to draw a portrait? I explored pointillism first and later moved to a clearer form.


​I am intrigued by people who are visually so authentic that they have become symbols. When you see dots, Yayoi Kusama comes to mind. When you see Basquiat, you see someone who was unique not only in his artistic expression but also in the way he comported himself.


​I am drawn to the purification of form and minimalism, which is not so easy to achieve. It requires deep observation—to look at a person and reveal their symbol.


​One more thing that I am focused on is color therapy, which is the energetic influence of my artworks. I love intense colors. In the end, I think those portraits "ask" to be looked at, but they carry a sense of easiness and positivity about them.


編集後記

デジタルでありながら、どこか人の温度を感じるのは色や形が感覚ではなく、丁寧に考え抜かれているから。緻密な計算と土台があるからこそ、「遊び心」が本物のアートとして成立するのだと、Vesnaから届いたアーティストレターを読んで改めて感じたのでした。

そして、ポートレートのモデルとなるレジェンドたちへの深い敬意の念が愛らしいキャラクターの誕生のはじまりとなっているのです。



Artist : Vesna Filipovic

Vesna Filipovicは、色彩と形状の関係性を探究し、コントラストやトーンを巧みに操ることで、抽象的かつ洗練されたデジタルアートを制作している。その作品は、アート・ファッション・テクノロジーの交差点に位置し、視覚表現における新たな可能性を提示するものだ。ファッションからのインスピレーションを軸に、革新的なソフトウェアやデジタルツールを用いて、ビジュアルコミュニケーションの革新を追求している。制作プロセスは、データを再構築するかのように構成され、そこから従来の枠組みを超えた「新しいリアリティ」が生み出される。ブランドの世界観やメッセージを、抽象性と感性を兼ね備えたアートワークとして表現することができるアーティストである。


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