イラストレーター紹介 Ludivine Josephine(リュディヴィーヌ・ジョゼフィーヌ)
- Akira Art Room
- 1 日前
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今回は、フランス・ニーム在住のファッションイラストレーター Ludivine Josephine(リュディヴィーヌ・ジョゼフィーヌ) をご紹介します。
洗練されたラインと、さりげないエレガンス。彼女の作品には、動きや佇まい、日常の美しさがそっと描き出されています。デジタルで描かれているとは思えないほど、あたたかく、どこか手描きの質感を感じさせるスタイルが印象的です。
この度、 Akira Art Room に新たに加わり、これから一緒に“イラストレーションという冒険の旅”を歩んでいくことになりました。アーティストと共に旅をするという気持ちで活動している私にとって、ルディヴィーヌとの出会いは、新しい景色が広がる予感に満ちています。
彼女に、イラストレーターになったきっかけや制作へのこだわり、日本文化との意外なつながりまで、さまざまなお話を伺いました。彼女の世界観に触れていただけたら嬉しいです。

Q:イラストレーターになったきっかけは何ですか?
小さい頃から絵を描くのが大好きでした。母がよく話してくれるエピソードがあるんです。学校に迎えに来て「今日は何したの?」と聞かれると、私が「絵を描いたよ、それだけ」と答える。それがすべてを物語っていると思います。ほかのことにはあまり興味がなかったみたいです。それに加えて、私はずっとファッションにも強く惹かれてきました。とても豊かで、想像力をかき立てる世界です。この2つの情熱をひとつにできる道として、ファッションイラストレーターになるのは自然な選択でした。
Q:デジタルで作品を制作するうえで、特に大切にしていることは何ですか?
私はシルエット、動き、そしてスタイルをとても大切にしています。
スタイルというのは、ただ洋服だけの話ではなくて、姿勢やしぐさ、視線といった“佇まい”すべてを含んだものだと思っています。
私は、一本の線で優雅さやエネルギーを表現したいんです。それぞれの作品が生き生きとした個性を持ち、視覚的なインパクトを持つように心がけています。

Q:インスピレーションはどこから得ていますか?
私の主なインスピレーションの源はストリートファッションです。
シルエットや雰囲気、スタイルのミックスの仕方などに注目していて、そうした都会的なエネルギーを作品に取り入れたいと思っています。ただし、あくまでエレガンスは失わずに。そのコントラストに強く惹かれます。
Q:あなたのイラストは手描きのような質感がありますが、それは意図的なものですか?
はい、もちろんです。デジタルに移行する前は、水彩や色鉛筆、パステルなどでよく描いていました。そうした表現の自由さや有機的な感触が大好きなんです。デジタルであっても手描きのような雰囲気は、今でも私のスタイルの大切な一部です。
Q:「美しい線」や「完璧な色」とは、あなたにとってどんなものですか?
美しい線にはリズムがあります。必ずしもなめらかである必要はなくて、生き生きしていて何かを語りかけているかのように感じられることが大事です。
完璧な色というのも、特定の色味のことではありません。作品にバランスをもたらしたり、逆に少し崩すことで緊張感や動きを生んだりする、そんな色です。

Q:あなたの作品を見たとき、日本のみなさまにはどんなふうに感じてほしいですか?
私のイラストから、詩的で洗練された雰囲気を感じ取ってもらえたら嬉しいです。
表情やしぐさ、シルエットなどを、正確に描きつつも描き込みすぎないようにしています。
この「正確さと自然のバランス」は、日本の方々が大切にされている“ディテール”や“視覚の調和”と響き合うのではないかと感じています。
Q:日本文化から影響を受けたことはありますか?
はい、とてもあります。特にイメージのつくり方に対する日本のアプローチには、ずっと惹かれてきました。たとえば、墨絵のような表現。速くてコントロールされた筆の動きは表現力豊かで正確でありながら感情的な感覚を与えてくれます。
また、「余白」と「密度」の関係性にも影響を受けています。日本美術では、余白が受け身ではなく、むしろ積極的な役割を果たしている。構図に呼吸をもたせ、すべてを描かずに“示す”という考え方は、私の作品構成にも強い影響を与えています。

もう少し個人的な話をすると、実は“マンガ文化”の影響もあります。矢沢あいさんの『NANA』が大好きで、物語はもちろん、ファッションの面でもとても印象に残っています。若い頃は日本のストリートファッション雑誌「FRUiTS」を取り寄せていて、何時間も眺めながらスタイリングやポーズ、表情の細かいところまで観察していました。私の視覚的な感性に大きな影響を与えてくれたと思います。
そういったさまざまな日本文化の要素が、今の私のスタイルをつくっていると思います。
Q:イラスト以外で夢中になっているものはありますか?
ファッションとイラスト以外だと…猫ですね!うちの猫たちはまさに小さな毛むくじゃらの赤ちゃんたちで毎日たくさんの幸せをくれます。
あとは、ダウンタウンに住んでいるのでその雰囲気は大好きなんですが、時々自然を感じられるところや海に行ってリフレッシュするのも欠かせません。お気に入りの本を持って出かけることが多いです。
Q:これから挑戦してみたいテーマや、夢のコラボレーションはありますか?
ファッションブランドとコラボレーションして私のイラストをデザインに取り入れた作品をつくってみたいです。ずっと心の中にあるアイデアなんです。
ラグジュアリーブランドの世界にもとても惹かれています。広告やファッション誌の特集、あるいはビジュアル・ディレクションなど、さまざまな形でその世界観に関わっていけたらと思っています。

でも、あえて道を限定したくはないんです。時には、まったく想像していなかったジャンルから素晴らしいチャンスが舞い込むこともありますし、未知の分野に一歩踏み出すことで作品にも新鮮さが生まれます。
だからこそ、「面白そう」「ちょっと予想外」そんなプロジェクトに、これからもオープンでいたいと思っています。
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