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気がめぐり、花が咲く ― アートと風水と、暮らしの成熟

風水というと、ちょっと大げさに感じられる方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、「自分が心地よく過ごせる空間をつくる」という意味で、インテリアやアートととても相性が良い考え方だと感じています。


台湾の女性アーティスト、謝淑慧による紫のアートをダイニングに飾ってみました。すると空間全体がふわっと整い、まるで余白に凛とした静けさが宿ったような感覚に包まれました。まさに、気が「整う」という感じです。

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謝淑慧 Delight-6 2022 46x38cm Mineral Paint, Mulberry Paper


紫は風水では「高貴さ」や「精神性の向上」を象徴すると言われています。でも、こうした意味にとらわれすぎず、あくまで「空間にひとつ、美しいアクセントを取り入れる」くらいの感覚で楽しまれてはいかがでしょうか。


アートを飾ることも、風水を取り入れることも、どちらも「自分の心と空間を整えるための小さなアクション」。大がかりな模様替えをしなくても、1枚のアートが暮らしに静かな変化をもたらしてくれることがある、と改めて感じた次第です。


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こちらは先日納品したコレクターさまからいただいたお写真。

お気に入りのオーディオセットの上にアートを飾り、クラシックを聴くときにいつもこの紫のアートが素敵な協奏者として存在しているのだとか!

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謝淑慧 Delight-4 2022 46x38cm Mineral Paint, Mulberry Paper


鮮やかな紫が印象的なこちらのDelightシリーズは2022年にNew YorkのArt On Paper用に描き下ろされたもの。意外と紫をモチーフにしたアート作品って少なくて目の肥えたニューヨーカーにも愛されたシリーズです。 

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この紫のアートは、台湾で静かに描かれ、ニューヨークで多くの人の目に触れ、そしていま、日本の暮らしの中でそっと根を下ろしました。旅をしてきた花が、ようやくここで咲いたような気がしています。


風水では「気」の巡りを大切にしますが、アートもまた、空間に流れをつくり、目に見えないエネルギーを動かしてくれます。色や形だけでなく、その背景にあるストーリーが、空間に深みと調和を与えてくれるのかもしれません。

アートは描く人がいて、感じる人がいて、そしていつか誰かの手元に届く。そのプロセスは、風のように自由で、花のようにゆっくりと熟すもの。

一つの作品が誰かの暮らしの一部になっていく、そのプロセスこそがアートの魅力なのかもしれません。アートと風水は、幸せの「気」を運ぶ、静かなパートナーなのだと思います。


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